オレ、図書館で待ってるから

「アイシテルとはいわない。キスもハグもない。それが消せない恋の余韻」

第一章 オレ、図書館で待ってるから 〜age18〜

「おい、豪。おまえ模試の結果、Α判定だったんだって?
いいよな、優等生は。もう楽勝じゃん」。
浪人生活までくされ縁がつながった幼なじみの順太にそういわれても、
豪は得意げな顔をすることはない。
「ば〜か、試験なんて一発勝負だろ。あてになんないのは経験ずみ」。
いつものように唇の端で笑って、首に巻きかけたえんじ色のマフラーをさっと 端正にたたんだ 。

十一月になるというのに、まだ外套を着る気になれない春めいた放課後である。
えんじ色のマフラーをさっと端正にたたんだ 。
その仕草が、乱暴な軽口には似合わないほど優雅だったことに、
わたしは感動をおぼえた。 豪くんと予備校で顔をあわせるようになって半年。
いつのまにか豪くんを目で追うようになって3ヶ月。
豪くんの男らしい顔が好き、クールな表情が好き、
タイミングよく面白いことを言って笑わせるキャラが好き。
粗野な浪人生を演じながら、マフラーを優雅にたたんだ仕草に 、
豪くんの育ちのよさが見えてしまって心が揺れた。

「愛、一緒に帰ろうよ」。
しまった。未央に、豪くん見てたこと気づかれたかな。
「ふう〜ん、愛は豪くんかあ。豪くんのこと、教えてあげよっか」
と、ダンタ予備校イチの事情通の未央が、わたしの目をのぞきこむ。
地元の秀才が集まるこのダンタ予備校では、青春っぽい友だちづきあいとか、
まして恋愛とかは、暗黙のタブーだったから、
他高からやってきた豪くんや順太とは、わたしは挨拶ぐらいの仲。
というより、友情を育む環境を望んでる受験生など誰もいなくて、
みんな勉強をするだけして帰っていく。
そんなドライな浪人生活で未央とわたしは、唯一、桜のつぼみがふくらむような
恋の感情も共有できる間柄になった。
未央はまじめだけが取り柄のダンタの女子のなかで、
こっそり彼氏もみつけ、それ でいて国立大Aランクを確保しているちゃっかり者。
いったん入学した女子大を中退し再受験のためにダンタに入ったわたしに、
みんなの妹分的な可愛い未央がくっついてきて、
なにかと世話を焼いてくれるようになっ たのだ。
とはいえ、豪くんのことは、未央が勝手に気をきかせてきたというか・・・。

志望校や偏差値といった話題にうんざり気味だったこのところ、未央が愛くるし
い目を輝かせて話しかけてくる。
「あのね、私、豪くんと同じ高校だったじゃない。
知ってんの。豪くんち、あのへんで有名な陶芸家の息子なんだよ。
お母さんはお茶のお作法の先生でさ。
で、ここが肝心なんだけど、彼女はい・な・い」と、わたしの反応を伺ってくる。
「ふうん」。絵のようにうっすらしていた豪くん像に、
肉や骨がついて現実のヒーローっぽくなったような妙な感じ。
ふうん、とだけ言ってわたしは未央とわかれ、
いつものように予備校隣りの図書館へ寄って帰ることにした。
ふり返ると、窓ぎわに集まった男子たちは、隣の女子校の生徒たちの品定めをして
ふざけあっている。
他愛のない気分転換だ。
豪くんも、か。
なんだ、気に入ってる子の名前まで知ってんだ。

図書館で苦手な数学を解いていると、豪くんと順太がやってきた。
「未央がおまえに渡してくれって」と、豪くんから封筒を受けとる。
はあ? 膝の上でこっそり開くと鉛筆書きのハートマークにニコちゃんの笑顔が合 体した絵、のみ。
未央のバカ、もう! 「おまえらって、いつもリラックスしてんのな。
ま、いいけど・・・」返す言葉なし。
「受験おわったらどうすんの?」と、豪くんが社交辞令で聞いてくる。
「海だね。 日ヶ碕灯台のぼって。それから山も。三陽山のぼって」と、
とっさに思いついた言葉をならべる。
「わかる。意外と地元の名所って、部活や受験で行ってないもんだよナ」。
それだけ。今週、豪くんと喋ったのは、輝かしくもこの一分だけ。
どうすんのこの気持ち、ってくらい盛り上がってる自分がばかみたい。
帰り道は、いつもさみしく切ない。
受験が終われば、わたしたちは、日本全国いろんな地図の上で、
それぞれの青春をはじめるわけだから。
その前夜祭、この高校生でも大学生でもない時間は青春とは呼べないのだろうか。
予備校生たちにとって、今のことは、余分な、もしかしたらなかったことにしたい
かのような人間関係の希薄な時間だ。

今朝も春のように暖かい。
予備校の始業ベルが鳴っているけれど、今日は未央がやたら
豪たち男子にちゃちゃを入れている。
「ねえ、愛。豪くん、カラオケで歌ったことないんだって」。
本来陽気なわたしは、未央ちゃんサンキューと話題をふくらます。
「豪くんさあ、意外とサザンとか熱唱しそう。
前の晩、ちゃんと予習してきそう」と、初めて豪くんとじっと目をあわせて
笑いあえたと思ったら、すでに先生が教壇に立っていた。
「愛、おまえ、たのむぞ。豪たちは真剣に勉強して、K大に入る人間なんだからな」。
数学教師のその一言に、青春という二文字がすぼんでいく。
この先生は、かつてわたしの高校の担任だったのだ。
勉強よりも人生に興味のある早熟なわたしのことを、よくわかっている。
そして、豪に恋愛オーラを送りかねない私の感情も、すばやく察知していた。
先生は、(豪の邪魔をするな)という念を送ってきている。 そうです、わたしたちは受験生でした。

数学の授業は、その日に限って難問が多かった。
将来何の役にたつかもわからない数式に、わたしは頭を抱えながら鉛筆を走らせた。
授業終了間際に答えあわせをするのだが、先生は豪くんを何度も指名して答えさ
せた。豪くんはあてられるたびに、すっときれいな姿勢で立って、
よどむことなくパーフェクトに解答していく。
どんな時も静かで自然で正しくいられる、この人が好きという気持ちが、
わたしのなかでどんどん大きくなっていた。
その日の帰り、やっぱりえんじ色のマフラーをたたんで学生鞄に入れている豪くんがいた。
わたしが声をかけるより早く、
豪くんの方から「オレ、図書館で待ってるから」、
と鞄に視線を落としながら言った。
そしてそのまま出て行った。
教室には順太たち仲間数人、わたしと未央。
待ってるからって・・。
さすがの未央も黙っている。
だって、その後に誰もなにも言わなかったから。
小さなドキドキを誰にも悟られないよう、足は素直に図書館に向かった。

ここ数年で建ったばかりの図書館は、白く清潔で、地元の学生や予備校生が通っていた。
開放的な入口を入ると、らせんの階段があって、
その登りきったところが、自習室の前のロビーだった。
まだ放課後というには早い時間で、ロビーには、
豪くんと順太とその仲間の男子たちがいた。
豪くんが一番前に立っていて、
男子たちはその後ろの椅子に座ってこちらを見ている。
未央が一歩下がって、わたしが前に出るような格好になってしまった。
これじゃあ、豪くんとわたしがボクシングでもしかねない雰囲気ではないか。
でも、試合のはじまるゴングは鳴らないし、なにかをはじめる合図は誰もできない。
試合の申し込みをしてきた、豪くんのファイティングポーズを待つしかないのだ。
豪くんはなにか言おうとしているのだが、言わない、言えずにいる。
十九歳のわたしに、それをおぎなう言葉もない。
待ったけど・・。
順太が「豪、愛に言うんだろ」と、ついにうながす。
「あの」と豪くんは言ったきり、かすかに顔を赤らめて自分の足元を見ている。
十九歳の男子たちはそんなに我慢強くない。
そのうち「もうさ、豪が言えないんだったら、
オレが言うよ。つきあってくれって」と、はやしたててきた。
そうなったらもうお笑い大会だ。
厳粛な表情をしているのは、豪くん本人だけである。

なにか聞こえたような気がしたけれど、えんじ色のマフラーを巻いて豪くんは、
図書館から出て行ってしまった。
その後わたしはどうやって家に帰ったか、覚えてない。
残念な気持ちもわかず、図書館のあの止まった時間がそのまま続いていた。
夕方になって、とても寒くなって、この冬初めての雪が降った。
次の日も、その次の日も、わたしたち受験生は無口になって、
淡淡と予備校の授業 を受けた。
時々、男子たちが女子校の生徒に窓際から声をかけるのも、なんだか空々しかった 。
それぞれの志望校を受けにいったり、合格したり、破れたりした。
豪くんはちゃんと本命のK大生になった。予備校に卒業式はない。
豪くんともう一度目をあわすことはなく、わたしたちは全国の地図の上に
桜の花びらのように散らばっていった。
豪くんが好きだった、というひとひらの気持ちは図書館のロビーのあの場所にある。

第二章 げたばこに花びら 〜age19〜

わたしがダンタ予備校に入った頃、豪くんと並ぶほど長身の男子が入ってきた。
豪くんと同じ山間部から通ってくる秀才。 他の男子みたいにツルまなくて、1人でいることが多く、
わたしの男版みたいだな と思った。
未央がダンタ予備校の「福山くん」と呼ぶのは、福山雅治似で長身長髪のカッコイイその男子だ。
ここダンタ予備校では、成績優秀なだけでは注目にあたいしない。
福山くんはどうやら恋愛経験がソートー豊富、というのが未央はもちろん、
男子たちからも一目置かれている理由だった。

 冬の寒さの厳しいこの地方にあって、
ストーブを囲める予備校の事務室は生徒たちが唯一くつろいで気楽に笑える場所だ。
友坂さんという学生たちと年齢がそんなに離れていない女事務員さんの、
社交的な明るい雰囲気がこの部屋に人を呼ぶことになる。
というのは表向きで、ストーブのめらめらとした火が、
まだ大学生にも社会人にもなりきれていない男子や女子の心のくすぶりを、ここに集めるのだ。

 福山くんは、田舎の男子たちのなかで群を抜いて都会っぽく、つまり大人びていた。
クールで、およそストーブのある事務室は似合わないのだが、
なぜかストーブ部屋の常連だった。
予備校が終わってから三十分、列車を待つ間やって来て、いる。

誰とでもうまく話しをあわせられる未央は、福山くんともさらっと話せる。
「東京と九州、どっちが楽しいかな、大学」 いつのまにか、福山くんの隣を陣どった未央がきく。
「京都。古いものも新しいものもあるからね」と福山くん。
「それ答えになんないでしょうが。私はK大ムリだしい」
と未央が可愛く笑う。 すかさず友坂さんが、
「近藤くんならK大行けるよ。遊びに行くからよろしく」、 なんて言ってる。
あ、近藤くんというのは、福山くんの本名だ。
ダンタ予備校に途中から入ったわたしには、福山似の福山くんの方がぴんとくる。
未央の隣にいるもんだから、福山くんはわたしに近い。
会話の中身にはたいして興味ないのだけれど、さらっとしたきれいな
福山くんの髪 には触れたくなる。
きれいだな。男なのに、福山くんきれい。

「・・・花、オレ好きだよ」。
え? 未央と福山くんの会話は、好きな花の話題に行っちゃったみたい。
「クチナ シの花 が好きって、この人ジジ臭い。ねえ、愛」
と未央がわたしにふってきた。
「でも、わたしもクチナシの花 の匂い大好きだよ。
おじいちゃんの家の庭に大きなクチナシの木があって、
子供の頃は、よくその木の なかに埋もれて匂いをかいでたなあ」と、わたし。
福山くんはクスッと笑い、「愛さんはクチナシの花 っぽい人だと思ってた」。
未央が「なにそれ。じゃあ、わたしのお花は?」 ときくと、
「ヒマワリ」とちゅうちょなく福山くん。
未央はまんざらでもない様子。
友坂さんが「わ・た・し・は?」と身をのりだしてくると、
「オレ、友坂さんのこ とよく知らないから。でも夜桜、かな」って、ちょっと意味深じゃん。
友坂さんは、はっきり言ってしまえば色っぽい。そして、言ってしまえば、
福山くんに惚れてるんだろう。半年前からそんな感じ、でもどうでもいい。
いや、違うな。
だって、福山くんはカッコイイし、ディープな世界に連れて行ってくれそうな危う
さもあって・・・。
ま、豪くん以外はアウトオブ眼中ってことで。

ところがその日、図書館に行こうと予備校を出た裏庭で、泣いている友坂さんを見た。
福山くんもいた。
「オレ、好きな人しか抱かないよ」。
「好きな子、いるわけ?」って、これ修羅場?
修羅場と呼ぶにはどっちも切なくて、空気が淡すぎる。
友坂さんも子供みたいだ。 っていうか、マズいでしょう、
予備校生と事務員の深い関係なんて。 見なかったことにしよう。

それより明日は最後の模試。
図書館へ、図書館で勉強して、さっきのことは忘れよう。
図書館のロビーでは、いつになく男子たちが、
福山くんの恋愛武勇伝と自分の武勇伝を勝手に競って盛り上がっていた。
わたしと同じ高校だった剣道三段角刈りの田所くんが、
エロ本の性描写のつぎはぎのような自分の武勇伝を語っているのに、
ボロがいろいろ出てくる。結局は、
「アイツは、ほんとうに年上とかさあ、いろいろ経験してんだよ。
いろんなこと知ってるもん。いいよなあ」ってことに落ち着いたようだ。
散らばって黙って勉強をはじめた。
それより・・・豪くん、今日来ないのかなあ。

そしてまた予備校の朝がやってくる。
「おい、豪。おまえ模試の結果、A判定だったんだって? いいよな、
優等生は。もう楽勝じゃん」。
浪人生活までくされ縁がつながった幼なじみの順太にそういわれても、
豪くんは 得意げな顔をすることはない。
「ば〜か、試験なんて一発勝負だろ。あてになんないのは経験ずみ」。
いつものように唇の端で笑って、首に巻きかけたえんじ色のマフラーをさっと 端正にたたんだ 。
豪くんのお母さんてどんな人だろう、
ああいう風にマフラー たためる男子を育てた家って・・・。
そんな推測も、わたしには関係のないことに 終わった。

 予備校に通い、図書館で問題を解き、志望校を絞って、受験した。
お正月を過ぎてしまえば、すべてが淡淡と過ぎていった。
予備校に卒業式はない。
受験して、先生に結果報告して、わたしたちの短かった予備校生活が終わった。

「さよなら」も言いあわずに、豪くんは東に、わたしはもっと遠い東の大学に行った。
でもわたし、もう一度、予備校に行ったんだよ、豪くん。
あなたが忘れ物をとりに来ないかと思って。
なのに豪くんは、きれいさっぱい、来なかった。
誰もいない予備校の事務室に、未央と未央の彼氏と、福山くんと、その他の男子と女子が
ストーブに手をかざしていたよ。
未央の笑顔が優しかったし、福山くんがわたしに「豪と会ってる?」ときいてくれた。
わたしは笑っただけだけどね。
未央が「愛、大学行ったらまた遊ぼう」と投げキッスをして、彼氏と帰って行った。
福山くんが「電車、くるから」と出て行った。
なんだか泣きたくなった。
「さよなら」を言う場所がない。
みんなこの中途半端な、それでもまちがいなくわたしたちが出会った予備校生活
から、自分の未来へ帰っていくんだ。

 最後の一人にならないうちに、わたしも歩きはじめた。
げたばこに行ってスニーカーに履き替えて・・・え? クチナシの花 。
なんでここに クチナシの花 ?
福山くん、誰のことが好きだったの ? なんでなにも言わなかったの ?
十九歳の春はわからないことだらけじゃないか。
心にささった問題に答えを出さないまま、
福山くんをのせた西へ向かう 列車が目の前を走りすぎて行った。
ブリザードのクチナシの花をにぎりつぶして、線路の先をずっと見送った。

「蜘蛛の糸」by 演歌のえっちゃん

実家で一人暮らしをしている母、
父と心底ラブラブの夫婦だったこと、
「お父ちゃん、愛してるよ〜」と
日本人とは思えない愛情表現、
大事に大事にしたこと。
すごいことだと家族も思っています。

それだけ父が素敵だったこと、
子どもたちも忘れられません。

家のなかが楽しくて
興が乗ると夜ご飯のとちゅうで
父が歌って踊り、
それにつられて母も子どもたちも
笑い歌い、楽しい思い出がいっぱい。

そんな母の家で、
ある日、天上の照明器具を
交換することになりました。

父はすでに天井の上の
空にいて母を見守っています。
母の様子を詩にしました。

「蜘蛛の糸」@母の家にて

するするすると
蜘蛛の糸のように
シャンデリアが降りてくる

のじま電気の電気工の人が
「あ〜この天井は古いから
重たいシーリングファンの
シャンデリアはつきませんね」という
母ががっかりする
「回って動く物があれば
誰がいなくても
この部屋が楽しくなるのにねえ」

するするすると
蜘蛛の糸のように
シャンデリアが降りてくる
「回りはしないけれど
こっちのシャンデリアは
すずらんの花の灯が
9つもついているわよ」と
私がすすめる
「うわあ 素敵 似合うねえこの部屋に」
と母が喜ぶ
久しぶりに集まった息子や娘が
9つのすずらんの下でLPレコードをかけはじめる

するするすると
蜘蛛の糸のように
シャンデリアが昇っていく
「古いシャンデリアは処分しましょうか」と
のじま電気の電気工の人が
気をきかせたつもりでいう
「お母さん そうしてもらえば
古いのは重たいし あってもしょうがないわよ」
「そうはいかないの
あれはお父さんとこの家に住み始めたとき
二人で選んだの これは大事なんだわ」

蜘蛛の糸が耳を澄ませる

「お母さん
処分してもらっていいんじゃない」
「そうはいかないの
昔 この家に住み始めたとき
お父さんと これがいいねって決めたんだわ」

蜘蛛の糸はどうしようかと
昇ったり降りたりを繰り返す
新しいシャンデリアの灯りが
久しぶりに集まった家族を暖かく包んでいる

するするするすると
蜘蛛の糸のように
シャンデリアが

♡♡♡

母は、若い頃、演劇をしていて
舞台を見にきていたNHKの人に
スカウトされました。

私「NHK入ってたら面白かったね」。

母「それだめなんだわ。
そっちの道に行ったら
お父ちゃんに会えない。
看護婦さんになって、
おばあちゃんに会えて、
お父ちゃんに会わないとだめなんだわ」

私「お父ちゃんがこう言ってたよ。
お母ちゃんは宝石やブランド品を
いちども欲しがったことがない。
不思議だなあって」

母「そんなもの欲しいとだめなんだわ。
お父ちゃんが、
崖の上にある花を
取ってあげよとして手を伸ばしたら困る。
いらない」

愛はしあわせ力だね。
親の話はちょこちょこと面白い。




モーツアルト音楽王の鈴木瑛美子ちゃん

うわあ、一気に観てしまいました。
「関ジャニ∞のTheモーツァルト 音楽王No.1決定戦」。

「最強ゴスペル女子高生」の称号をもつ
鈴木瑛美子ちゃん、まさに魂の歌声です。
関ジャニのメンバーも
演歌のえっちゃんも思わず涙。

音楽、とくに人の美しい歌声は
聴いた人の体を透過していきますね。
この不思議な感覚、なんなのでしょう。
ちょうど体のハートの部分に
歌がとどまり震え、
手肌に鳥肌がたち、
涙となって感動が循環していきます。

対戦相手と競った
恵美子ちゃんの
MISIA「逢いたくていま」は
カラオケ王というジャンルを超越して、
歌と彼女が天に昇ってしまったような
あまりの凄さでした。

歌いながら、競いながら、
鈴木さんはこの歌詞に魂を奪われたように
「(歌詞の中の)二人の想い」が浮かんだそう。
溢れる感情がこぼれそうに熱唱していました。

戦っていることを忘れてまで、
その歌を愛して歌を届ける。
お顔も瞳も一心でした。

家族の見守りもすごかったですね。
愛されて応援されて好きなことに挑む。
可能性の開花を支える愛は、
さらにその人の能力を伸ばします。

自然にサビで会場と家族を
見渡す瑛美子ちゃんの笑顔は
忘れられません。
その人間に宿った最高の歌声、
いいもの聴かせてもらいました!

決勝戦の曲目は
セリーヌ・ディオンの名曲「To Love You More」。
ゴスペルを得意とする瑛美子ちゃんの
英語による高音のうなり声、
審査員たちも感服のようでした。

彼女の感性は、
ふられた質問に答える言葉にも表れていました。
歌声も会話する言葉もすべてその人そのもの。
いきいきとしたリズム感、
正直でユーモアがあり天性です。

誰もが応援したくなる魂の歌声、
スターといわれる特別な才能の持ち主に
うっとりした夜でした。

感性は響き合う。
今夜の鈴木瑛美子ちゃん、
社会情勢も永田町の思惑も吹き飛ばす
本物の人の声!
こうありたいものです。




I Love HOSHINO GEN

源さん、源ちゃん、源さま(さまはないな)。
 
星野源の歌のすごいところは、
スペシャルなふつう、これに尽きます。
日常の中の普通なことが
キラキラいのちを持って輝く。
とても立体的で本質的です。
これは、星野源その人そのものの
すごさでもありますね。

作詞作曲、リズム、表現、雰囲気、
すべてが過剰でなくぴったりの質量です。
歌詞の言葉選びのさじ加減もたまりません。
「言葉」が「本質」から「離れず」「正確」
なのです。

誰でもがはなつ言葉はいつでも、
飾りではなく
本質であることを忘れてはなりません。

星野源は歌います。
ひとさし指を立てながら
自分に語りかけ、
相手に語りかけ、
宇宙を包括する「ふつう感」。
 
大ヒットの「恋ダンス」、
あまりにこりとはせず、
自分に、オーディエンスに、
ゆったり語りかけます。
そこに「どうだい?」「いいだろ?」
といったどや顔はありません。
星野源は自分に問い
確かめながら歌っているのです。

演歌のえっちゃんは、
どや顔しない、淡々と発見し喜ぶ、
落ち着いている、
リズム感よく生きる。
そういったことが好き。
歌の話しでもありますが。

「生きていくことはたいへん。
でも幸せであってほしい」と
星野源はいつも歌っているように思います。

星野源の歌には、
人が哀しみを持って生まれ、
生きていくことを覚悟した
前向きさ、リズム感が必ずあります。

人として歌として
そこがとても魅力なのです。
声の深さ、リズム、表現、
しっとりしていてどの歌も飽きません。

オザケンさんと路線が同じ?
いや違うでしょう。歌が。人が。
内側の覚悟や強さに立って
リズムにのるのが星野源です。
星野源は歌いながら歩いているのです。

「恋ダンス」以外にも素晴らしい楽曲が
たくさんあるので聴いてみてください。

ちょっと聴くと地味とも思える出だしから、
たくさんあるふつうのなかに
思わず見つけたきらきら感。
まさに夜空のスターを
その手に拾ったようなしあわせな気持が
ゆっくり確実に訪れます。

それは星野源だから。
日常を宇宙にしてしまう、
エンターテイナーの希なる才能なのです。

こんど歌うとこみてください。
宇宙を歩くような足取りで、
特別素敵に歩きながら歌う源さんです。





選ばれしものたち

優勝と準優勝、
金と銀、
受賞とノミネート、
僅差でえらい違うと思いませんか。

甲子園の高校野球なんかでも
決勝戦まで行くだけでもすごのに、
負けた方は涙ですね。

当事者にとってえらい違いです。
 

ところで、
選ばれし者になる、
これはちょっと前まではそこ大事だったかもですが、
今は何も東京でなくてもローカルのあの人、
テレビ局発でなくても個人でYouTube発、
などなど自分(たち)で自分(たち)を選んぢゃう手が
いくらでもある時代になってきましたね。
 
大企業に就職すればいくらかは安泰かもしれませんが、
AIだの3Dプリンタだのいろんな新しい価値が出てきて
何がとって変わるか逆転するかわからない時代です。
 
ま、何が言いたいかというと、
自分がいいと思うものはいいというのも
ひとつの基準です。

前置き長し!

演歌のえっちゃん、
日本作詩大賞でノミネートされるも
惜しくも入賞できず。

誰ですか? テレビ東京に出演するつもりで
洋服買ってしまったのは。

なかなかいい詩です。
演歌のえっちゃん、越路吹雪さんの
イメージで作りました。
曲調は「ラストダンスはあなたと♪」
な感じ。

日本作詩大賞新人賞ノミネート歌詞、
「ふらわあ」はこちらです。

この作詞家にお仕事頼みたいわ〜、
歌作ってほしいわ〜という人がいたら、
演歌のえっちゃん待ってます。

「ふ ら わ あ」        

作詞 演歌のえっちゃん 

  遠い国からおかえり おかえりなさい
  無精ひげをみやげにあなたが今
  私にもどる命がもどるが灯りがともる
  何さ詩人みたいな顔をして
  照れないでこっちへきて抱いて  
  ふらわあ ふらわあな ラララ気分で 
  今宵世界の花が一度に咲いた
  そんなほほ笑み あなたに
  
  酒場(みせ)の中ならごらんの ごらんの通り
  何も増えちゃいないわ失くしもしない
  寝かせた酒と2階へつづく階段きしむ
  どうぞ埃だらけの胸であれ
  私には天使に見えるから      
  ふらわあ ふらわあな ラララ口づけ
  今宵世界の花も羨むような
  そんな口づけ あなたに

  靴を脱いで心ほどいて もう何も何も心配しないで
  ふらわあ ふらわあな ラララ口づけ 
  今宵ラララ・・・





サイコロふったんさい

サイコロをころがすような人生、
どっちの目が出ても、
ふっと笑っていく方向の歌詞わりと好きです。

腹がすわってないとこうはいきません。
どちらにしても人生思うように
いくこともいかないこともあり、
どうせだったら歌える
心のスキを持って生きていきたいものです。

吉田拓郎さんの「落陽」!
サイコロ好きのじいさんも
それもらう男の方もえらいかっこよく聞こえます。
よくよく歌詞みれば、意外とどうしようもない
二人かもしれません。

これ吉田拓郎さんが歌うと
どえりゃあかっこいい登場人物になるから
不思議です。
挫折感のある旅でもそれやってる人間が
腹がすわってかっこいいと
風が吹いてきて波がさかまいて
宇宙が広がり生きててよかっったと思えます。

作詞家の岡本おさみさん、
そのさじ加減で作られていると思います。
吉田拓郎さんの心根も背の高さも笑い方も
好きな女もすべて知って(知ろうとして)
この歌詞を成功されたのではないでしょうか。

作詞はお洒落だったりインパクトがある
言葉の羅列だけでは成立しません。

かっこいい×かっこいい×かっこいい・・
だと聴いてて飽きてきます、
というか耳に入ってこなくなります。

ふつう、普通、フツウ・・・
でも意表をついた小物、
ここでこれが出るのかという言葉、
あ、その角度があったかという見方、
という新鮮な展開があって、
サビでようやく洒落た言葉などが入ってくると、
全体としてすごい歌になります。

「落陽」と吉田拓郎さんのマッチング、
不思議なパワーに満ちています。

この手に近い感覚を、
演歌のえっちゃんの歌詞でもご覧ください。

馬場孝幸さんの作曲と歌唱で
CDにもなっています♪
そういえば、馬場さんも拓郎さんと同じ
エレックレコード所属でしたね。

余談ですが私は役得で、
フジテレビの廊下で吉田拓郎さんとすれ違い
ものすごく背が高くてかっこよかったのを
覚えています。

「ぶらぶら」

          作詞 演歌のえっちゃん  

あたし綺麗だったの

あたし若い頃にさ

一度だけ舞台に立ったことがある

台詞(せりふ)もあったわ

だけど次がないの

堕ちてゆくばかり

好きでもない男に抱かれ殴られて

貢いでポイよ

三十路四十路(みそじよそじ)お酒…

あとはぶらぶらおまけ…

夢なんか見ず地道にしてりゃ

我が子も孫も抱けたのにね

それがあたしの罰、そう仕方ないわね♪

朝も空の下で

夜も空の下で

青いテントの穴 星を数えてる

孤独な暮らし

金に縛られずに

馬鹿な男に唾

自由という舞台のラストシーンまで

何とかやるわ

三十路四十路(みそじよそじ)あがき…

あとはぶらら…忘れた…

たった一度の我が人生に

悔いはないわと誰に遺うの

それがあたしの罰、そう仕方ないわね♪

(CD情報)http://zarya.030.to/cd.html





演歌のえっちゃん「フラミンゴ」発売

演歌のえっちゃん、
今日は蘇州、まちがい初秋の海へ行ってきました。

(蘇州も行きましたので、こんど書きます)

漁師さんに会いました。
見事な船、侘びもサビ(塩水で)もあり
演歌にぴったりです。

蛸専門の船、
網えんじ色で年季が入ってます。
「蛸はこの時期から子を産むために
砂にもぐるんや。
味は美味しくなくなってくるのに
獲れなくなるから値段が高くなる。
旬の夏がやっぱり安くて美味しい」

漁師のおじさんの声は海の声。

力強くて迷いがない。

経験力と人生力。

海、空、フラミンゴ!
というわけで、
演歌のえっちゃんの作品です。

中学生に歌ってもらって
アマゾンでも発売しています。
どこかで見かけたら試聴だけでも
聴いてみたって♪
この子ええ声しとるわ。

「フラミンゴ」

作詞 演歌のえっちゃん

空 青く晴れ渡って
悲しみなんて吹き飛ばすよ
今 生まれて来た鳥は
本能だけで震えても

風を感じたら ほら飛べるさ
迷いも怖れも脱いで
誰かと手をつないでる 舞え

フラミンゴ 夕焼けに飛ぶよ
フラミンゴアミーゴ 空が朱くなる
朱く燃えるココロは生きてる証しだから
愛し合える今日未来

願い そんなに多くない
優しくなれたら幸せで
世界 あなたに会えたから
憎しみなんかいらない

愛が伝わって ほら笑うさ
希望と愛しさ抱いて
あなたと手をつないでる 舞え

フラミンゴ 夕焼けに飛ぶよ
フラミンゴアミーゴ 空を朱くなる
朱く燃えるココロは生きてる証しだから
愛し合って今日未来

フラミンゴ 夕焼けに飛ぶよ
フラミンゴアミーゴ 空が朱くなる
フラミンゴ 夕焼けに飛ぶよ
フラミンゴアミーゴ 空が朱くなる
朱く燃えるココロは生きてる証しだから
愛し合って今日未来
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試聴はここやで♪
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演歌のえっちゃんの作品

日本列島を台風18号が通過していきます。
 
窓をあけたらうちの外は森なんですが、
森の入口のアーチに
滝としか思えない水が上から下へ。
ゴーーという音とともに
風は横向きにふきすさんでいました。
 
これからまさに台風の目、
どうなることだろうと思い思い、
夢の中へ。
 
はっ!気づいたら寝てました。
あとには秋の虫の音色。

寝てる場合違う。
窓をあけて、さあ演歌でも作ろうっ!

@@@@@@@@@@@@@

「花 緒」

作詞 演歌のえっちゃん
   

紅い花緒に指通し
雪のつぶての夜を行く
これが女の生きる道
眉と眉との間を開けりゃ
世間の広さ見えてくる
人の情けが見えてくる

ぎゅっと親指踏みしめて
天にひとひら夢描く
吾子を背おいて来た道も
筋を通して花道へ
親の深さが身にしみる
女の強気が実を結ぶ

紅い花緒に指通し
どこぞ歩くも上げて
指と指とを踏みしめて
これが女の生きる道
一歩、一歩、一歩、一歩

@@@@@@@@@@@@@@ 

どう ? どう ?どやーーー!

女の人は強いん違うかな。
まいったなー、しんどいなー
思っても、
いやいやいや、
こんなんどってことない!
見とってみい、
立ち上がったと思ったら
歩いて、
いつのまにか笑っている。

そう、
えっちゃん大好きな
スカーレットオハラのようにね。

「明日は明日の風が吹く」
by スカーレット

「脚には脚の道がある」
by エッチャン

台風吹いてても
女子友とラインして
今どこもうどこ、大丈夫や。

励ましあい、冗談いいあい、
ああ女に生まれてよかったね。

「花緒」いかがでしたか?
これがえっちゃん演歌の世界。

お店の歌でも、社歌でも、
オーダーいただけたら作りまっせ!

中学2年生バンドPOUL

中学2年生がボーカルの
バンド「POUL」の
〜Sing〜聴きましたか?

おお中学生!
青春応援隊の
演歌のえっちゃんとしては、
すぐに聴いてみましたよ。

「丸山純奈」さんという
中2女子ボーカルと
男子3人の編成で、
徳島市のふ頭のイメージソングのために
結成されたバンドだそう。

全国2000組以上の
バンドオーディションから
頂点に立ったグループですって。

中学生!
中学生オーディション経験のある
えっちゃんとしては、
部活や勉強もあるなかの
オーデイション参加がいかに+αで
たいへんかを知ってるつもり。

どえりゃあ中学生が
出てきたのでは・・・
と応援したい気持もあって
聴いたのでした。

バンドというより、
ボーカルの民謡っぽい発声、
今はやりの細やかなビブラート、
つまり丸山さんの
歌唱力と表現力に
スポットがあたっている気がします。

頂点に立った歌姫の
きれいな歌声です。
 
それとはべつに
バンドの魅力を期待した
えっちゃんとしては、
ふむう〜。

デジャビュー・・
奄美大島のイメージ、
浮かんできます。

9月18日テレビ朝日系列放送
「MUSIC STATION 
ウルトラFES2017」に
出演だそうよ。

はやりのものに飛びついてみたけど、

ふつうのものはふつう・・・

いいといえばもちろんいいけど・・・

でも「いい」以上の「すっごいいい」は、
時を超えます。
そんな歌に出会いたいものです。
なんなら作りたいものです。

演歌のえっちゃん!待ってます!

水戸黄門

だんだだだ、だんだだだ♪
 
地団駄ではありません。

夕方いつものテーマ曲が流れ
おじいちゃんおばあちゃんのいる
部屋のテレビに
水戸黄門さまの顔が写る。
 
江戸時代の水戸藩主、
水戸黄門さまは
やんごとない身分を隠して旅をする。

よよと泣きついてきた娘さんを
そっとかくまったり、話しを聞いて
助けてあげたりなさる。
 
どこの村にも悪者がいて、
黄門さまの身分を知らずに
悪態ついて
子分とともにのりこんでくる。
いつも同じパターンなのに、
わくわくはらはらします。
 
親のかたきだったり、
悪巧みの商人だったり
敵は見るからに悪そうな笑み、
古典的な演技がニヒルです。

助さん格さんが成敗するも、
敵の人数は多い。そこで
時間がくるとあれが出ます!
 
菊の紋章!
クライマックスの印籠!

「ひかえひかえ。
 ここにおわすは、
 水戸の光圀公なるぞ」

ちゃらら〜んら〜ん♪

身分明かすなら
なぜ事態がすすんでから・・
という疑問はさておき。

かっっかっっっか!
光圀公の高笑いで一件落着します。

歴代の主役のなかでも
東野英治郎さんがぴかいちでしょう。

この旅の目的、
視聴者の9割は
わかっておりますまい。

主題歌もまさにそこは
ぼやかしている展開です。

「ああ人生に涙あり」。
木下忠司さんの作詞です。

歩け歩けと言っています。
くじけたら誰かが先に行くと。

旅の目的も人生の目的も
わかりません。
どう進んでいくのか。

この主題歌では
とにかく前へしっかり歩け
と言っているように聞こえます。

七五調の歌詞が、
覚えやすく歩きやすく

「どんぐりころころ」の
歌詞に差し替えても歌えるって
知ってましたか ?

ころがり楽しむ人もいれば、
この歌のように地道に歩く人もいる。
人生は深いです!

演歌のえっちゃん!待ってます!